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桑中
(そうちゅう)

作品名  桑中
収載書名 『詩経』「国風・鄘風」 
訳者名  白川静
訳書名 『詩経国風』(『東洋文庫』518)
刊行年代  1990
 その他  草摘み歌。
 
爰采唐矣
沫之郷矣
云誰之思
美孟姜矣
期我乎桑中
要我乎上宮
送我乎淇之上矣

爰采麦矣
沫之北矣
云誰之思
美孟弋矣
期我乎桑中
要我乎上宮
送我乎淇之上矣

爰采葑矣
沫之東矣
云誰之思
美孟庸矣
期我乎桑中
要我乎上宮
送我乎淇之上矣
 
 
(ここ)に唐を采(と)
(まい)の郷に
(ここ)に誰をか之(これ)思ふ
美なる孟姜
(まうきやう)
我を桑中に期し
我を上宮に要し
我を淇
(き)の上(ほとり)に送る

爰に麦を采る
沫の北に
云に誰をか之思ふ
美なる孟弋
(まうよく)
我を桑中に期し
我を上宮に要し
我を淇の上に送る

爰に葑
(ほう)を采る
沫の東に
云に誰をか之思ふ
美なる孟庸
(まうよう)
我を桑中に期し
我を上宮に要し
我を淇の上に送る
 
 
ひかげかずらをとりましょう
沫のむらで
誰を思うか
美し 姜の姉娘
桑畑で会いましょう
わたしを上宮にむかえ
淇水のほとりに送つてくれた

麦をとりましょう
沫の北で
誰を思うか
美し 弋の姉娘
桑畑で会いましょう
わたしを上宮にむかえ
淇水のほとりに送つてくれた

かぶらをとりましょう
沫の東に
誰を思うか
美し 庸の姉娘
桑畑で会いましょう
わたしを上宮にむかえ
淇水のほとりに送つてくれた
 
 詠いこまれた花   ハマネナシカズラ(唐)、ムギ(麦)、カブ(葑)、クワ(桑)



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